Art washes away from the soul the dust of everyday life.
芸術は、日々の生活で魂にたまったほこりを洗い流してくれる。
(- パブロ・ピカソ-)
真っ白の家、真っ新な家。
指垢すら付けたくない、そんな澄んだ空気。
そこから作り出すコトとそのはじまり。
私たちはいつの間にか心にほこりが溜まり、
それに気がつきもしない。
小さいころからよく母に
「何故毎日掃除機をかけているのに、沢山ほこりが溜まるの?」
と聞く子供だった。
母はごく当たり前のように
「ほこりって、そんなものよ。」と。
今でも毎日何故ほこりが溜まるのかを不思議に思う気持ちは変わっていない。
少し砂っぽいそれだったり、
見たことのないカケラのようなものが入ったそれだったり。
多分母が言う事が全てなのだろう。
ほこりって、そんなものだ。
私は最近アートを必要以上に感じようとしている。
そんな中、最近心に深く入ってきたのが
この非対称の一枚の絵。
20世紀のアメリカの美術家、
ロバート・ラウシェンバーグの作品だ。
彼は抽象絵画と日用品や廃材などの物体を組み合わせた「コンバイン・ペインティング」と呼ばれる作品たちで一躍注目を集めた。
そして彼を知れば知るほど、
人々と多くの悩みを共有できる欠点の多い愛すべき人間だという事に気がついた。
これを見て皆は何を感じるのだろうか。
私は、普遍と嫉妬を感じた。
今朝起きたら左の首が痛い。
14時に見た東京駅近くのまだ光っていないイルミネーションにそわそわした。
夕陽が落ちる頃、その姿に似合わないLINEのピコンとした音を聞いてため息が出た。
“ほこりって、そんなものだ。”
いつか記憶からこぼれ落ちたとしても
私は今日を覚えておこうと思う。
静かな静かな夜に、
この絵を見て溜まったほこりを洗い流した。